猛暑続きですから、涼しい部屋で昔のことを書いてみたいと思います。また、HamRadioブログを標榜しながら、関係する書き込みが少ないのも気が引けますからこれを書く次第です。いまや、1KW出力のリニアアンプも、お金をだせば買えるブラックボックスみたいな代物。昔は、多くのハムが自作しました。
【 40年前のリニアアンプ設計と製作】
1976年、FLDX-2000をベースにした、RTTYで500Wだせるリニアアンプを作ることにして、準備を始めました。ベースになるFLDX2000を某氏からいただいたのもきっかけです。水平出力管4本では、RTTYで連続500W出力はまったく無理なので、4X150A2本で作ることにしました。
なぜ、これを書こうと決めたかというと、製作時の克明なメモが先日、物置で発見できたからです。あの頃はよくやったなぁと、いまでも思います。
古いアルバムの写真
参考にしたのは、NCL-2000の回路です。8122という小さな高出力管使ったリニアアンプで、いまでも資料は入手出来ます。
マニュアルダウンロード http://bama.edebris.com/manuals/national/ncl2000/
これを元に、7034(4X150A)パラレル、GKアンプとしました。
エキサイタはTS-520D(tuneポジションをFSK用に改造。性能よかったです)・・・RTTYですから100W連続送信は無理なので、出力は50W程度にします。これをリニアアンプ側の50オームのダミーロードに食わせて抵抗両端に生じたRF電圧で、7034のグリッドをスウィングするわけです。
(蛇足ですが、50W連続運用<1送信5〜10分は当たり前の時代>すると、終段管2本のプレートが変形したり、穴が開いたりしました。10年間の間に4回位は終段管を交換しました。)
ご存知の用にセラミックチューブは小型高出力ですが、冷却が厄介なのです。まず、風圧ですが、4X150Aの場合、20mmH2O(水銀柱ではなくて水柱)。スケールファンは役立たずで、シロッコファンが必要です。オリエンタルのMB8=Z-Bを使いました。
さらに、「ヒーターをONにしてから1分たったら高圧をかける電源切るときは、
高圧を切ってからクーリングファンを1分回してからすべての電源を切る」
回路にする必要がありました。 FLDX-2000のシャーシーに全部乗せるのは不可能なので、電源は別のケースに組みました。
(1)電源部
FLDX-2000のトランスは、850VA 1A (850VA)です。これを半波倍電圧整流
で2KV以上を発生させます。バラックの電源組んで、抵抗を負荷にしてテストを繰り 返しました。(楽しい時間を過ごせました。)
結局、1700V 0.5Aの電力を取り出せました。850VAは850VAなのだと悟りま
した。(それ以上の電力は取りだせません^○^)
レギュレーションをよくするため、この高圧トランスには、AC200Vを供給。流れ
るAC電流は1/2になりますから屋内配線とコードによる電圧降下はAC100V時の1/4
になります。(AC100Vで15A位流れる機器は、AC200Vにすることをおすすめ
します。
電源に必要な回路
・高圧電源
・グリッドのバイアス電圧用回路
・スクリーングリッド用電源・ヒータ電源
・リレー用電源
遅延回路 2種類。(主電源キーSWを設け、ON専用ボタンをONにすると、
ヒーターON, 1分後に高圧ON。オフにするときは、オフボタンを押すと、
高圧がOFFになり、1分後にすべての電源がOFFになる。主電源キーをオフ
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